読売新聞に掲載されました

読売新聞 1999年5月11日(火曜日)朝刊 家庭と暮らし

手作りキッチン ギョーザのおいしさは 皮で決まる
中央を厚くして 破れにくく   モチモチ ムチムチ

photo専門店やスーパーでいつも買う食べ物の多くは、その気になれば台所で手作りできる。手間をかけた分だけ、市販品にはないおいしさが返ってくる。
◇「ギョーザのおいしさは皮で決まります。モチモチ、ムチムチとして…」。話しているうちに、山田和生さん(44)(兵庫県尼崎市在住)の顔がほころんでくる。

大阪市内で旅行会社を営む山田さんは2週間に1度は自宅でギョーザを100個以上作る。週未には友人を招いてギョーザパーティーを開く。

友人でもある中国・北京、上海両市の料理人から「ギョーザは皮に始まり皮に終わる」と教えられた。

日本では皮は市販品を使い、具やタレに時間をかける人が多い。中国では、どの家庭でも、皮は家族がこねて作るという。

「出来合いの皮は、保存を良くするため水分が少なく、パサパサで薄い。真の重みやうま味のある汁を受け止められず、すぐ破れるのです」と山田さん。

焼さギョーザは皮が硬くなるので作らず、蒸し、水ギョーザが専門だ。山田さんが使う小麦粉は薄力粉だが、中国では好みや料理方法に合わせて中力粉や強力粉も使う。

ボウルに小麦粉と塩、水を入れてこねる。一つにまとまり「機嫌良く手から離れる」のが目安だ。

男の手で約15分。粉と水の量を調節しながらやると失敗はしない。生地がうまくまとまったら、冷蔵庫で半時間以上ねかせるjここからがめん棒でのばす手順だ。

台は清潔にした食卓、打ち粉は小麦粉でよい。生地を棒状にし太さが1.5-2センチになるまでのばす。1センチ強の幅にポン、ポンと切っていく。

1個切るごとに生地を少しずつ回すと形が崩れにくく、切っだ形がそろう。のぱす前に、一つずつ手のひらで押しつぶす。手のひらのくぼみを利用して、生地の中央を厚くしておくのだ。のぱし終えて具を包んだ時、破れにくい。一個ずつ、真ん中から外側にめん棒を転がす。生地を90度回し、同じことを繰り返して円形にしていく。「不細工な形でも愛着がわいてきます。手作りの面白さです」

◇皮の風昧を生かすため、山田さんは、具やタレにニンニクを使わない。具は、野菜をみじん切りにして豚ミンチ、シイタケの戻し汁大さじ3、調味料と混ぜ含わせる(材料は別表)。

タレは別表の材料を混ぜ合わせる。
水ギョーザは沸騰したお湯に落とし、蒸しギョーザぱセイロで蒸してそれぞれ約15分。今回はパーティーなどを想定して多めに作った。

一人10個としても10人分だが、作りやすい分量。残れば冷凍を。

材料(いずれも100個分)

【皮】小麦粉(薄力粉)500グラム、塩小さじl、水180-250CC
【具】ニラ2束、キャベツ1/4個、豚肉ミンチ600グラム、乾燥シイタケ6枚(戻しておく)、ゴマ油大さじ2、しょうゆ大ざじ2、黒コショウ少々
【タレ】グレーブフルーツの搾り汁(1個分)、大根おろし(15センチ分)、ポン酢180CC、レモンの搾り汁(1個分)、おろしショウガ小さじ1、タバスコ数滴


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