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障がい者とスタディツアーを考える


メールイカロス No.485
発行:(株)マイチケット 2011年10月24日 トラベルメールマガジン

 障がい者とスタディツアーを考える 経験交流会報告  

 障がい者とスタディツアーを考える経験交流会を10月15日に東京の和光
大学で開催しました。三回にわたる交流会の第一回目となる今回は、4名のろ
う者に参加していただき、NGOのツアー企画担当者とともにスタディツアー
について語り合う場となりました。
 この交流会は、これまで正面から取り上げることのなかった障がい者のスタ
ディツアーへの参加について、まず障がい者の意見を知ることから始めようと
いう主旨で、シャプラニールとマイチケットが共催し、和光大学のロバート・
リケットさんの協力で実施しています。二回目と三回目の交流会は、それぞれ
車椅子の障がい者と視力障がい者に参加していただく予定です。来年の3月ま
でに3回の交流会を実施したいと考えています。

 今回の交流会は、4名のろう者が海外旅行経験の報告者として参加し、手話
通訳を交えてNGOのツアー企画担当者と語り合いました。当日は、さらに1
名のろう者の参加があり、障がい者の豊富な旅行経験の報告から交流会が始ま
りました。
 聞くことができないことを理由に旅行参加を断られた経験の報告を受け、旅
行を企画する側はろう者が「何ができないか」ではなく「何ができるか」をい
っしょに考えることがまず必要ではないかという指摘がありました。
 日本語の通じない世界に行けば、ろう者と健常者は音声を通じて情報を得る
ことができないという点で条件に差がなくなります。日頃から音声以外の方法
で情報を得ているろう者の方が、現地の人とコミュニケーションができること
があるというろう者からの指摘には説得力がありました。
 とはいえ健常者は、通訳を通じて異なる言語からの情報を得ることができま
す。ろう者のためにスタディツアーに手話通訳が同行することは理想であって
も、費用面では難しい現実があります。ろう者への「情報保障」としてはノー
トテイキングという方法が考えられます。これはろう者を挟んで2名が、交代
でノートをとり、その場の話しのすべてを伝えるものです。現地の人々が話す
時に通訳は適当な長さで区切り、その都度日本語で伝えます。同時通訳ではな
いので、現地の人々が話している間にノートテイキングの時間は十分にありそ
うです。
 スタディツアーはそもそも海外の異文化理解に触れる機会であるだけでなく、
様々な背景を持った参加者どうしが旅行中に語り合うことも、異文化体験とな
ります。その中にろう者が参加することで、ろう者を通じた世界に触れること
ができます。参加者にとっても企画者にとっても、参加者の多様性を学ぶこと
ができれば、それはスタディツアーの学びが広がる機会となるはずです。
 ろう者といっしょに旅行するスタディツアーには「情報保障」が欠かせませ
ん。現地情報を事前に文章化する作業などツアー企画者がやるべきことも確か
にたくさんありそうです。そして、その「情報保障」には参加者の協力が欠か
せません。
 積極的に海外を旅してきたろう者の興味深い体験談を聞いて「こんな人たち
と旅行したらけっこう魅力的で面白そうだ。」と感じたのは私だけではなかっ
たと思います。


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