イカロスメール

  

「えっ! 新しい航空券を買い直して下さい?」


メールイカロス No.491
発行:(株)マイチケット 2012年1月20日 トラベルメールマガジン

     「えっ! 新しい航空券を買い直して下さい?」

 昨年のクリスマスイブ、学校も冬休みに入り関西空港の国際線出発ロビーは
出国の列にならぶ人混みで混雑していた。Aさんの今日の目的地はインドのム
ンバイ。関西空港から香港まで、キャセイ航空CX503便を利用し、香港からムン
バイまではキングフィッシャー航空IT72便に搭乗する予定だ。
 キャセイ航空CX503便の出発時刻は10時。「2時間前にはチェックインを・
・・」という旅行社からの案内はそれほど気にせず、Aさんがチェックインカ
ウンターに現れたのは8時50分。出発の1時間10分前であった。
 パスポートとEチケットをカウンターで手渡すと、チェックイン担当者(B)
はコンピュータで記録を確かめた。この時に呼び出す画面は「チェックインシ
ステム」と呼ばれている。ところが、このシステムではAさんの予約記録は
「変更された」とだけ表示された。この係員は自分ができる方法で記録を探し
たが、有効な航空券情報を見つけることができない。そこで、カウンターコン
トローラーと呼ばれる上級の担当者(C)の指示を要請した。
 たまたま、その時間帯は9時30分発のキャセイ航空CX567便のチェックイン
の締め切り終了間際の時間であった。担当者(C)はAさんの航空券の確認作
業には、しばらく時間がかかると判断し、担当者(B)にキングフィッシャー
航空を通じて調べてもらう方が早いかもしれないという旨を伝え、そのままキ
ャセイ航空CX567の終了作業を続けた。
 担当者(B)は、ここで間違った判断をして、Aさんに「航空券を買い直し
て下さい」という案内をしてしまった。おどろいたAさんは、マイチケットに
電話をしたが営業時間外であったため、しかたなく航空券を買いなおそうとし
ていた。当日の航空券が高額であることは言うまでもない。
 担当者(C)はキャセイ航空CX567便の終了後にAさんの記録を見直し、別
の画面に移って「予約システム」で変更に至った経緯を確認したところ、変更
された内容で航空券が再発行されていることが分かった。
 いったんチェックインカウンターから離れていたAさんに、チェックインが
可能であることが伝えられたのが受け付け修了の5分前であった。時間が迫る
中、さらに預け入れ荷物の最大重量を越える荷物の詰め替えが必要となり、担
当者が経緯の説明やお詫びの言葉を口にする暇もなく、駆け込み搭乗すること
となった。
 Aさんのトラブルの知らせを受けてマイチケットは、キャセイ航空に文書で
経緯を説明することを求めた。キャセイ航空は、担当者(B)の確認作業が不
十分であったことを認め、航空券の再購入を安易に案内したことについてお詫
びすることとなった。その文書に最後にはお決まりの文句だが「職員への周知
徹底ならびに再教育を実施し再発防止に努める所存・・・」とある。
 予約記録をさがせない。上級の担当者に事態を正確に報告できない。かって
な判断をして「航空券を買い直して下さい」と安易に案内する。そんな職員が
チェックインを担当しているという現実がこの経緯から露呈した。「周知徹底
ならびに再教育」は容易なことではない。
 問題はキャセイ航空に限ったことではない。どの航空会社も過剰な競争を繰
り返し、生き残るためにひたすら経費節減を徹底している。最低限のサービス
の維持が難しくなるような、航空業界の経費節減はもう限界にきているのでは
ないだろうか。
 私たちの防衛手段はチェックインのスタッフの習熟度に期待せず、早めにチ
ェックインするという他になさそうだ。
 今さらですが、チェックインは2時間前に、よろしくお願いいたします。


PAGE TOP